幼き日の思い出

『1117HIT記念☆』

BGM:失われた日々 by逆凪 諒


よく晴れた空の下。
オレは兄貴と2人でいつもの広場にいた。
いつもだったら父さんも一緒に3人で稽古しているけれど。
だけど父さんは、仕事が出来たらしく朝早く出かけてしまった。
だから久しぶりに兄貴と2人で稽古をしているんだ。


「まったく、セルクには驚かされるよ」
手合わせを終えて、一休みしようと地面に座ると兄貴がそう言った。
「毎回毎回、手合わせする度に強くなってるんだから」
「そう…かな」
「自分では気づかないだろうけど、昨日よりも多少腕が上がってるよ」
そう言うと兄貴はぽんぽんとオレの頭を叩いてきた。
兄貴はこうやっていつも褒めてくれる。
これが、兄貴の褒め方なんだよな。
「…でも、まだ兄貴にはかなわないよ。さっきの手合わせでも負けたし…」
兄貴は強くなったと褒めてくれるけど、オレはそうは思えない。
さっきの手合わせだって、全然かなわなかったんだから。
「当たり前だよ」
「兄貴…」
「僕だって日々鍛錬してるんだ。…大事なものを、守るために」
そういう兄貴の顔は、優しかった。
そういえば、いつも兄貴に『兄貴の大事なものって何?』って聞いても絶対に教えてくれないんだよな。
どうして教えてくれないのか、全然検討もつかない。
それに、兄貴の『大事なもの』も全く検討がつかないんだ。
いったい兄貴の『守りたい大事なもの』って何なんだろう。
‥‥‥駄目だ。やっぱり気になる。
だから今日も、駄目もとで。
「…ねえ、兄貴の大事なものって何?」
と兄貴に聞いてみた。
きっと、今日も教えてくれないだろうけど…。
気になるんだから、しょうがない!
「…またその質問か」
オレの質問に、兄貴は苦笑した。
そして。
「セルク。それを聞いてどうするつもりなんだ?」
とオレに質問を返してきた。
「えっと…」
オレは、まさか兄貴から質問されるとは思っていなくて…答えに困った。
聞いてどうしようって訳でもないし、ただオレはそれが何なのか知りたいだけだから…。
どう答えを返せばいいのかが、分からなくて少し黙り込んだ。
「…いいよ。今日は特別に教えてあげるよ」
すると、兄貴は笑ってそう言った。
「え」
「…きっとまだセルクには分からないだろうけど、教える」
「やった!!」
どうして突然教える気になったのか、ちょっと気になったけれど。
オレは教えてもらえることが嬉しくて、ただ素直に喜んだ。
いったい兄貴の『大事なもの』って何なんだろう…。



オレはわくわくしながら兄貴の口から出る言葉を待った。
兄貴はそんなオレに笑って口を開いた。
「僕の大事なもの。そして守りたいものは‥‥‥」
「うん」
「…周りにいる人の笑顔」
兄貴の『大事なもの』は、笑顔…?
どうして笑顔を守りたいんだろう??
笑顔なんて守ろうとしなくても、そこら中にあふれているのに。
「そして、僕のことを好きでいてくれる人達」
「?」
いったいどういう意味なのか、分からない。
兄貴のことを好きでいてくれる人達?
どうしてその人たちを守りたいんだろう??
「…その様子じゃ、やっぱり分かってないな」
「うん、分からない…」
「…やっぱり、セルクにはまだ分からないか」
全然意味を理解できないオレをみて、兄貴はちょっと困った顔をしてた。
「ねえ、兄貴」
「ん?」
「兄貴が女の子にモテるのは、関係あるの?」
「‥‥‥それは、関係ないかな」
兄貴は性格がよくて、顔もよくて、誰かを守れる強さもある。
だからか、やたらと女の子にもてて告白とかされているたりするけれど…。
それを全部兄貴は断っている。
もしかしたら、兄貴にはもう決まった人がいるんじゃないかと思う。
…それはともかくとして、もてるのは関係ないとなると…。
余計に兄貴が『守りたい大事なもの』の意味が分からない。
「今の兄貴と同じ年になったら…分かるかな」
「…分かるかもしれないし、分からないかもしれない」
「え。兄貴、どっちなの?」
「セルクが僕の年になった時に、分かるようになるという保障はないんだ」
「えーっ!?」
今の兄貴の年齢、17歳になっても…分かるという保障はない?
…どうして、保障がないんだろう。
それも分からないオレは、やっぱりまだ子供なんだろうな…。
「セルク、そんなに落ち込まなくてもいつか分かるはずだから」
「…絶対に?」
「…絶対とは言い切れない。ただ、僕が持っている気持ちをセルクも持つようになったら…きっと分かるよ」
兄貴が持っている気持ちと同じ気持ち?
…どんな気持ちなのか、全然分からない。検討すらつかない。
「それってどんな気持ち?」
仕方ないから兄貴にそう聞いてみた。
「…セルクがテリナに対して持っている気持ちと、少し似てるかな」
そしたらそう答えが返ってきたけど…。
「オレが、テリナに対して持ってる気持ち?」
「そう。その気持ちに少し似てるよ」
「…?」
オレがテリナに対して持っている気持ちって、どんな気持ちなのか良く分からない。
…好きとか、幼馴染みとか…そういう気持ちに似てるんだろうか…。
やっぱり分からない。
「兄貴、オレ…ほんとに分かるかな」
「大丈夫だよ。いつか、今日の出来事をふと思い出したときに分かるだろうから…」
「…うん」
まだ不安な気持ちもあるけど、きっと大丈夫だよな。
兄貴が言うように、きっとオレにも分かるときがくる。
そう信じてその時を待とう。
「セルク。一休みもしたし、もう一度手合わせする?」
オレを見てくすっと笑った兄貴は、立ち上がって自分の剣を手にしていた。
「する!」
兄貴の問いに、オレは間髪いれずそう答えて立ち上がった。
なぜなら、一休みの前にやった手合わせで全然かなわなくて…。
そして兄貴に一太刀も当てることが出来ずに負けたから。
そのまま終わるなんて、悔しすぎる!
「セルクは負けず嫌いだから、そういうと思ったよ」
「だって、兄貴に一太刀も当てれずに負けたから」
「…そうだね。今度は、当てれるかどうか楽しみだな」
「絶対に一太刀くらい当ててやるっ!」
そう意気込むオレを見て、兄貴は楽しそうに笑った。
そして。
「負けないよ、セルク」
と言うと兄貴は剣を構えた。
オレも自分の剣を構えると、周りの空気が緊迫した空気に変わった。
そして、手合わせは始まった…。




…気がつけば、見覚えのある天井が見えた。
たしか、兄貴と手合わせしてたはず…。
どうして見覚えのある天井がみえるんだ?
「…そっか。あれは…夢か」
そうだよな。
兄貴はもう、いないんだから。
だからオレの手元に兄貴の剣だった『レイヴァールソード』があるんだし。
「ふと思い出した時に、分かる…か」
兄貴の大事なものを教えてもらったあの日。
兄貴はたしかそう言っていた。
「…ほんと、兄貴の言う通りだな」
兄貴が『守りたい大事なもの』の意味が、確かに今なら分かる。
周りの人間の笑顔…。
自分のことを好きでいてくれる人達。
…オレも、兄貴と同じように守りたいと思った。
周りの人間の笑顔を、絶やしたくない。
自分のことを好きでいてくれる人達…、自分のことを見ていてくれる人達。
自分の命に代えてでも、守りたいと思った。
失いたくないと思ったんだ。

兄貴が守りたかったものは、今は少ししか残っていないけど…。
でも、オレが兄貴の代わりに守るから…。
オレなりの方法で、守って見せるから。
「だから兄貴…。オレを…見守っててくれ…」
そう呟いて、オレは『レイヴァールソード』を硬く握りしめた。


絶対に…。
絶対に、守ってみせるから‥‥‥。




終わり。
















みずか様リクエストのキリ番1117HIT小説です☆
遅くなってすいません〜っ!
さすがに3つともMSじゃつまらないので、これはろーぷれです。

内容について。
ろーる・ぷれいんぐで必死にネタを考えていたところ…。
セルクとセルク兄の話の過去話が浮かんだんですよ。
そんなわけでこんな話になりました。
主人公がセルクで、セルク語りな小説って初めてな気がします。
ちなみに作中のセルクは9歳、お兄ちゃんは、17歳です。
いや、最後の部分は17歳のセルクですけどね。
お兄ちゃんの名前、ちゃんとあるんですが…文章中に出せませんでした。
兄の名前は、『ヒュリス』です。
お兄ちゃん、実はカナタ&グディアスと面識があったり…。
それはまたの機会に、語ります☆

さて今回もBGM付きです。
少し悲しい話なので、こんな感じのイメージで。
BGM嫌いな方、本当にごめんなさい…。

1117HITありがとうございましたvv
本当に遅くなってすみませんでした!













戻ろうっと!




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