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『622HIT記念☆』
4月12日。
今日は宝翼高等学校天文部員である、有沢南月の誕生日。
これは、そんなおめでたい日のある出来事…。





「‥‥‥」
2年T組の生徒の一人、有沢南月。
彼女はこの学校の天文部に所属している。
生徒会の手によって『宴会クラブ』という汚名を1年前につけられた天文部に。
彼女の所属する天文部の活動日は、ほぼ毎日だ。
だが、これといって天文部は何かをするわけでもない。
天文部には必ずといって良いほどあるだろうと思われる望遠鏡が部室にないため、
活動しようにも「活動が出来ない」といった方が正しいだろう。
「…今日の活動…何か変化あるかな…」
今日1日の授業をすべて終え、南月の足は天文部の部室へと向かう。
誰にも聞こえないような声で、ぼそぼそと呟きながら…。


天文部の現部員は、南月を入れて全部で4人。
新入生を入部させるのに失敗し、彼女ら2年生しか部員はいない。
それでも、一応部費を生徒会からもらい活動を続けているらしい。
「…きっと…いつもと…同じ…」
今ごろ部室では、S組のあきちゃんとR組の渡辺くんが夫婦漫才をしていると思う。
片倉くんはそれを横目で見ながら、いつものように天体に関する本を読んでいるんだろう。
そう、きっと今日もいつもと変わらない風景が部室の中で広がっている…。
南月はそう思いながら、部室へ辿りつく廊下を一人歩く。
すれ違う他の生徒や、教師のことなど一切気にせずに。
ただ、天文部の部室を目指して‥‥‥。

「‥‥‥?」
辿りついた天文部の部室前の廊下は、やけに静かだった。
いつもなら、ここで「…だから泣くなってば!」「だ、だって…」という怒声と泣き声が聞こえてくるのに。
今日は夫婦漫才をしていないのだろうか。
不思議に思いながら部室の扉をいつもの様に開けてみる。
「‥‥‥??」
部室内はいつもと違い電気もついてなく真っ暗だった。
ただ、窓のところにあるカーテンの間から差し込む光だけがこの部屋を明るくしている。
そして部室内に、人の気配は…ない。
ここに来る前、S組とR組の教室には生徒は一人も残っていなかった。
それなのに、同じ天文部である自分以外の3人の姿は部室にない。
どこいったんだろう。
もしかしたら今日部活ないのかも。
ふと頭に二つの考えが浮かぶ。
「‥‥‥」
まあいいや、それなら帰ろう。
南月の頭の中にそんな結論が浮かんだ。
その結論に従って、彼女が昇降口へと向かおうと来た廊下を戻ろうとした丁度その時だった。
パーンっ!
そう何かが弾ける音が後ろから聞こえたのは。
「‥‥‥?」
音がした方を振り向いて見ると、先ほどまでは誰もいなかった場所に一人男の子がクラッカーを手に
立っていた。
いつも喜怒哀楽がはっきりしている少年。R組で天文部員の一人、渡辺光太だ。
「南月ちゃん、おめでとう!」
そして彼は笑顔でそう口にした。
「…渡辺くん…」
どうして彼はこんなことをしているのだろう。
なぜ、自分に向かって「おめでとう」と言うのだろう。
そう思う南月は、彼の行動が不思議でたまらないようだ。
「おめでと」
そうしているうちに部室に明かりが灯り、今度は扉のところに緑色の髪を三つ編みにしている女の子が
彼女にそう声をかけてきた。
いつも怒ってばかりだが天文部のリーダー的存在。S組の生徒で天文部員の一人、管野空である。
「…あきちゃん…」
「有沢さん、おめでとう」
あっと思う間もなく、後ろからも声が聞こえてきた。
振りかえってみれば、いつも静かな男の子の姿。
いつも天体関係の本を読んでいるR組の生徒で天文部員の一人、片倉星の姿。
「…片倉くん…」
これはいったい何なのだろう。
3人は何をしているのだろう。
南月はそう思わずにいられなかった。
"おめでとう"って何がおめでたいの?
今日何もおめでたいことなんてないはずなのに。
そう不思議に思っていると、光太が笑顔を浮かべてこう言った。
「今日は4月12日。南月ちゃんの誕生日だよ♪」と。
「…誕生日…」
「だからね、空ちゃんと星くんと僕の3人でお金を出し合って南月ちゃんにプレゼント用意したんだよ♪」
光太はにこにこと笑顔でそう続ける。
「ほらほら、南月。中に入りなよ」
「‥‥‥」
今日は4月12日。
…確かにわたしの生まれた日…。
「ケーキとちょっとしたごちそうは、僕達が調理室借りて作ったんだよ♪」
誕生日…。
そんな情報は、南月の頭の中からすっかり抜けていたらしい。
3人に連れられて部室の中に入ると、机の上には綺麗に飾り付けられたケーキとちょっとしたごちそう。
どれを見てもおいしそうなものばかりである。
「…もしかして、南月ちゃん迷惑だった?」
泣きそうな顔で光太がそう南月に尋ねかけてきた。
「‥‥‥」
その問いに南月は何も答えずただ黙っているだけだった。
「…全く、光太は思い立ったらすぐ実行しちゃうからね…」
空が呆れた顔で光太にそう言った。
「…やっぱり、迷惑…だよね…」
そんな空の言葉に不安を覚えたのか、光太の顔は先程よりも泣きそうな顔になる。
「…ありがとう…」
「え…」
「…わたしの、誕生日…。祝ってくれて…ありがとう…」
「南月ちゃん!」
そんな光太の顔を見ていたら南月の口からそう言葉がこぼれた。
「…良かったね、光太。南月喜んだみたいで」
「君の行いは間違いではなかったらしい…」
彼女のぼそっと言う言葉は、3人にも聞こえたみたいで空と星は光太にそう言った。
「…うん!」
「‥‥‥」
光太の顔はいつのまにか笑顔に戻っている。
「南月ちゃん!」
そして満面の笑顔を浮かべてこう言った。

「17才のお誕生日、おめでとう!」と。












花穂みずか様リクエスト。キリ番622HIT小説です☆
リクエストは『南月のバースデー』でした。
まだキャラを掴みきれてないためか、書くのに苦労しました☆
そのため、文章が変なところとか多々ありそうです。(おいおい)
そこらへんは目を瞑って頂けると嬉しいなー…と。

さて内容ですが…。
天文部主催、お祝いパーティーって感じで書きました。
しかし調理室を借りたにしろ、短時間で料理を作るなんて…。
そんなおかしいこと、ありませんよね?
実は光太・空・星の3人、6時間目の授業なかったんですよ。
先生が学校に来ていなくて自習だったんです☆
…なんて都合のいいおまけ話もあったり♪

622HITありがとうございました!
ご要望通りになっていればいいのですが…。
喜んでいただけたら、管理人泣いて喜びますvv










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