子猫を拾った日

『709HIT記念☆』

BGM:傍にいるよ by逆凪 諒


ザアアアと音を立てて降る雨の中。
そんな中を宝翼高等学校天文部部員二人は、歩いていた。
片手にはコンビニの買い物袋、もう片手にはビニール傘。
そのうちの一人は「何で帰る時に雨降るんだよぉ〜」と不満そうな顔でそう呟いている。
もう一人は、「そういう時もあるさ」ともう一人を慰める。
そんなやり取りをしつつ、二人は学校への道を歩く。

ことの始まりは、その道だった‥‥‥。



「ねえ星くん」
「ん?」
「星くんは、雨の日って好き?」
パシャパシャと足音を立てながら、光太はそう星に尋ねた。
「好きでもないし、嫌いでもないな」
「そうなんだ。僕は、雨の日って嫌いだなー」
傘を少しくるくると回しながらそう言う光太。
「だって、洗濯物干せないし雨の日って買い物大変だし…」
「ああ、なるほど。確かにそういう時は、僕も雨を良くは思わないかな」
「だよね!う〜、早く雨止まないかなぁ…」
そう呟く光太を星はくすっと笑う。
どうやら子供っぽいことをしている光太を見て、何か楽しいことがあったらしい。
「あ。そういえば星く…あれ?何か聞こえる」
「?」
「ねえ星くん、何かの泣き声みたいなの聞こえない?」
「‥‥‥」
足を止め、周囲の音に耳を傾ける光太と星。
よくよく聞いてみると、確かに何かの泣き声がどこからか聞こえる。
「…猫の鳴き声」
「え?」
「これは猫の鳴き声だ」
「ええ?」
星の言うことに驚きながら、光太はもう一度周囲の音に耳を傾けてみた。
「にゃぁ〜」
「あ。ほんとだ!」
どこからか聞こえる猫の泣き声。
「どこにいるんだろ」
「さあ…。この近くにはいると思うけれど」
「僕ちょっと探してくる!」
「渡辺、走ったら濡れる!」
星の忠告も聞かず、光太は雨の中を走って猫を探しに行ってしまった。
「…全く。渡辺はこういう時、行動早いな。まあ、渡辺らしいけど」
一人その場に残された星は、くすくすと笑った。
そして近くにあった屋根の下で光太の帰りを待つことにした。
そんな星は、少し楽しそうに見えた‥‥‥。


その頃猫を探しにいった光太は…。
「猫さん、どこ〜?」
猫を探していた。
「にゃ〜」
「猫さ〜ん?」
「にゃぁ〜」
「あ、見つけた!」
「にゃぁ〜ん」
猫は、ダンボールの中で雨ざらしになっていた。
「捨てられたの?よしよし」
ズボンのポケットからハンカチを取り出し、猫を拭いてやる光太。
よく見ると、猫はまだ小さく子猫のようだった。
「こんなところにいたら可哀想だから、僕と一緒に来る?」
「にゃぁ」
「よしよし。じゃあ、僕と一緒に行こうねvv」
そう言ってダンボールの中に入っていた子猫を抱き上げると、光太は星が待っている場所
へと走って行った。


「星く〜ん」
先ほどいた道に戻ると、屋根の下で雨宿りしている星がいた。
光太が名前を呼ぶと、彼は気づいたようだが…その顔は少し驚いているように見えた。
「渡辺…。その子猫」
どうやら光太が子猫を抱いているのに驚いたらしい。
「あ。あのね、この子猫捨てられてて…可哀想だから連れてきちゃったんだ」
「‥‥‥」 「僕は学校の寮で生活してるから、飼えないのは分かってるんだけど…でも…」
「とりあえず学校に帰ろう。早く戻らないと、管野さんに怒られる」
「う、うん!」
星は半ば呆れているように見えたが、とりあえず二人はいち早く学校に戻ることにした。
「にゃぁ〜?」と鳴く一匹の子猫と共に…。


学校に着き、天文部の部室に向かうと…案の定。
空は「遅いっ!!」と買い出し担当だった二人のことを怒っていた。
「うう…。ごめんなさい」
「全くもう、星と光太が帰ってこなきゃ何もできないっていうのに!」
「ごめんなさい…」
怒る空に、ただただ謝る光太。
「…まあ、10分遅れで戻ってきたからまだいいけど。今度遅かったら…許さないからね」
「ううう…」
「…なーんてね。とりあえずこれで必要なもの揃ったし、作業再開するよ」
「にゃぁ〜」
空がそう言った瞬間。光太が後ろに隠していた子猫が鳴いた。
「…? 今、猫の鳴き声が…」
「えっ。気のせいだよ、空ちゃん」
「そう?ならいいけど」
子猫を拾ったなんてばれたらさらに怒られるだろうと思った光太は、なんとかごまかそうと
したのだが…。
「にゃぁ〜、にゃぁ〜」
「…また、猫の声?」
「そ、外に猫でもいるのかな?」
また子猫が鳴いた。
それでもなんとかごまかそうとする光太。
「…渡辺。不自然すぎる…u」
「うう…」
しかし、隣に居た星にはそう言われた。
なぜならば…。
「…渡辺君。この辺に猫なんて入ってこれない…」
「う。…そ、そうだっけ?」
南月がぼそっと言った通り、この宝翼高等学校は敷地が完璧に覆われているので猫一匹
入ることすら出来ないのだ。まあ、この学校で飼育部が飼っているうさぎなどは元々いるの
で除外されるが。
「光太…。あんた、後ろに何隠してる?」
「え…えっと」
「…渡辺、観念したほうがいいんじゃないか?」
「うう…。ごめんなさい」
星の極めつけの言葉に、光太は後ろに隠していた子猫を空と南月の前に出した。
「子猫?」
「あのね、帰り道で…鳴き声が聞こえて…」
「…もしかして、捨てられてたから拾ってきた?」
「う、うん…」
光太は怒られることを覚悟した。
きっと「ばかじゃないの?」とか言われるだろうとも思った。
そしてみんなには呆れられるだろうとも、思った。
「…可愛い…」
「子猫なんて久々に見たかも。よしよし」
「にゃぁ〜v」
しかし、二人の反応は予想したものと違っていた。
怒るどころか、二人は光太が抱きかかえている猫を可愛がり始めたのだから…。
「…空ちゃん、怒らないの?」
「光太、あんた調理室の鍵持ってたよね。貸して」
「え。…あ、うん」 光太が調理室の鍵を差し出すと空はそれを受け取り、南月と一緒に調理
室へと走っていってしまった…。
「‥‥‥星くん」
「何?」
「僕…どうして怒られなかったのかな…」
「…子猫が可愛かったからじゃないか?」
光太の質問に対して、そう答える星。
「…女の子って子猫好きなのかな?」
「さあ…」
とりあえず部室に残された二人は、調理室に行った二人の帰りを部室ででおとなしく待つ
ことにした。
「にゃぁ〜♪」
光太の手の中では、子猫が上機嫌な鳴き声をあげていた…。



部室内に響き渡るぴちゃぴちゃという音。
それは子猫がミルクを舐めている音である。
「にゃ〜」と鳴き声をあげながらおいしそうにミルクを舐める子猫。
そしてそれを微笑ましく見ている天文部員が2人。
調理室からミルクと皿を持ってきた空と南月である。
「…あの、空ちゃん」
「何、光太」
「あの…僕が子猫拾ってきたこと怒らないの?」
子猫に夢中な空に光太はおずおずとそう尋ねてみた。
「別に怒りはしないけど、光太この子猫どうする気?」
「え…。えっと…」
空に尋ねかえされて、光太は戸惑った。
そういえば子猫が可哀想で連れてきたが、彼はその後のことまで考えてなかったからだ。
「渡辺、やっぱり考えてなかったのか…」
はぁ…と星は光太の態度を見てため息をついた。
「どうしよう…」
「にゃ〜」
光太が困っていると、先ほどまでミルクを舐めていたはずの子猫はいつの間にか彼の目の
前で鳴いていた。
「えへへっ。よしよし」
「にゃv」
どうやら子猫は光太がお気に入りのようである。
「…で、どうするの?部室では飼えない。光太も寮住まいだから、飼えないでしょ」
「あ、うん…」
懐いてくる子猫を撫でながら空の言葉に答える光太。
「南月のところも駄目だったよね」
「‥‥‥」
空の言葉にこくっと無言でうなずく南月。
「私も駄目。…星、あんたは?」
「…ペット不可のアパート」
「う〜。この子どうしよう…」
「にゃ〜」
4人とも飼えないと分かり困る光太。
そしてそんな光太をよそにのんきに光太に懐く子猫。
「渡辺、この時間ならまだ桜木先生が残っているんじゃないか?」
「確かに、星の言う通りまだあの先生なら残ってるかもね。子猫飼えるか聞い…」
「うん。僕…行ってくるね!」
言うが早いか、光太は子猫を抱きかかえると部室の扉を開けっ放しで飛び出していった。
「…開けっ放し…」
「全く…扉くらい閉めてけっての!」
開けっ放しにされた扉を閉めながら空はため息をつく。
「仕方ない、私たちで作業しかないね」
「渡辺は当分戻ってきそうにないしな」
「…がんばる…」
そして部室に残された3人は、やるべき作業を開始したのだった‥‥‥。


「桜木先生っ!」
「え?」
まだ明かりのついている保健室に入るなり、光太は保健医の名を呼んだ。
「なんだ、渡辺君。どうしたの?」
優しそうな保健医は笑顔で光太にそう尋ねるが…。
「先生、子猫って飼える?」
光太は間髪いれずにそう尋ね返した。
「飼えない事はないけど…?」
「ほんと?」
「ええ。渡辺君が名前を考えてくれるなら、喜んで」
『飼ってくれる』という人間を見つけた光太の表情は笑顔になる。
そんな光太を保健医はくすくすと笑いながら見ている。
どうやら表情がころころ変わる光太が楽しいくて仕方ないらしい。
「じゃあ僕、この子の名前考えるね!」
「ふふ。がんばってね」
子猫の名前をつけることを条件に飼う、と言った保健医の言葉を信じ光太は真剣な顔で
名前を考え始めた。
「にゃぁ〜」
のんきに鳴き声をあげる子猫を見ながら彼は名前を考える。
「なんて名前がいいのかなぁ…」
「にゃ〜」
子猫は悩む光太をよそににゃんにゃんと光太の腕の中で上機嫌で鳴いている。
そんな様子を見た光太の頭に一つ名前が浮かんだ。
その名前は…。
「…ちょこ。桜木先生、ちょこって名前どう?」
「ちょこ?どうしてその名前なの?」
「この子、僕が困ってようが悩んでようがちょこちょこしてるから…」
「ふふっ、確かにそうね。じゃあちょこで決まりね(笑)」
「うん。お前の名前、今からちょこだよv」
こうして子猫の名前は『ちょこ』と命名されたのだった。
当の子猫は、「にゃv」と満足げに鳴き声をあげていた。




後日。
『ちょこ』と命名された子猫は、保健医の桜木教師のもとにいた。
そして、4人の天文部員たちも…帰り際には必ず保健室に寄っている。
理由は簡単。ちょこに会うためである。
「ちょこ〜、元気にしてた?」
「にゃぁ〜♪」
「えへへ、よしよし」
数日前は分からなかったのだが、ちょこは実は女の子で男好きらしい。
その証拠に、ちょこは光太と星がやけにお気に入りである。
あと、怒ったときなどの男らしい(笑)空もいたくお気に入りみたいである。
とりあえず、ちょこは今日も元気。
名前の通り今日もちょこちょことしている。
「ちょこ」
「にゃぁ〜vv」


光太の拾った子猫。ちょこは、今…最高潮に喜んでいるようだった‥‥‥。



END














みずか様リクエストのキリ番709HIT小説です☆
遅くなってすいません〜っ!
そしてこんな話でごめんなさい。
楽しんでいただければ幸いです。

内容について。 ネタ探しの旅にでたところ…『うさぎ』が管理人の頭をよぎりました。
そして、何かを拾った話を描こう!と思いつきました。
なので『うさぎを拾った話を書こう!』と思っていたんですが…。
いざ書こうとしてふと思いました。
うさぎの鳴き声って…?と。
分からなかった管理人は、ご覧の通り子猫に変えました。
打っててとっても楽しかったですvv(猫好き)
それから、MIDIはこれにあってるかもと思ってつけてみました☆
どうでしょうか? 管理人的イメージはこんな感じなんですが…。

709HITありがとうございましたvv
本当に遅くなってすみませんでした!













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